設計用地震動レベルと性能グレードについて
2021年3月23日
地震と建物の「安全」
大きな地震が起きたとき、建物が「安全」だといえるのはどんなレベルか?
A・・・人は無傷で、建物被害はなし:継続利用は可能
B・・・人は無傷で、建物被害は軽微:継続利用は可能
C・・・命は助かり、建物は小破~中破、補修により継続利用は可能
D・・・命は助かり、建物は大破、継続利用は不可能
僕が建築を学んでいなかったなら、答えは「A」か「B」。
だけど、建築基準法では中地震時(震度5弱)で「B」、大地震時(震度6強)で「D」が正解となる。
直近での大きな地震である熊本地震では、地震発生3年後には約40%が更地となった。
fig1.熊本地震後の概要
人々が求める「安全」とはどんなものか
建築基準法は、常に社会の「経済性」と共に変遷が行われてきた。
それはそうだ。あまりに高い安全性レベルを法的に要求すると、たちまち社会経済は沈没する。ゆえに建築基準法はクリアすべき「最低基準」と言われている。
言い換えれば、経済的に余裕のある人は「高い安全性」を獲得でき、そうでない人は「命を守る」ことが出来るということになる。
設計者としては何か釈然としないものがあるが、確かに「安全性」に「コスト」はリンクしており、仕方のないことなのかもしれない。
「安全はお金で買う」というのは、海外での「旅」と同様に仕方のないことなのかと思う。
性能メニュー
JSCA日本建築構造技術者協会では、地震に対する建物の性能メニューとして以下の図を配布している。
fig2.JSCA性能メニュー
建築基準法を受け入れてもらえるか
建設時に、少しばかりのイニシャルコストをかけて頂き、このことをご理解いただけるよう努めていきたいと思います。
弊社でも、JSCA性能メニューと同様に、耐震性能グレードに応じ、「耐震構造」「制振構造」「免震構造」と幅広く対応しております。


