設計用地震動レベルと性能グレードについて

地震と建物の「安全」

大きな地震が起きたとき、建物が「安全」だといえるのはどんなレベルか?

 

A・・・人は無傷で、建物被害はなし:継続利用は可能

B・・・人は無傷で、建物被害は軽微:継続利用は可能

C・・・命は助かり、建物は小破~中破、補修により継続利用は可能

D・・・命は助かり、建物は大破、継続利用は不可能

 

僕が建築を学んでいなかったなら、答えは「A」か「B」。

だけど、建築基準法では中地震時(震度5弱)で「B」、大地震時(震度6強)で「D」が正解となる。

 

直近での大きな地震である熊本地震では、地震発生3年後には約40%が更地となった。

fig1.熊本地震後の概要

(農村集落における建物被害と債権状況の継続的な把握:熊本県立大学環境共生学部 教授 柴田 祐)

 

人々が求める「安全」とはどんなものか

建築基準法は、常に社会の「経済性」と共に変遷が行われてきた。

それはそうだ。あまりに高い安全性レベルを法的に要求すると、たちまち社会経済は沈没する。ゆえに建築基準法はクリアすべき「最低基準」と言われている。

言い換えれば、経済的に余裕のある人は「高い安全性」を獲得でき、そうでない人は「命を守る」ことが出来るということになる。

設計者としては何か釈然としないものがあるが、確かに「安全性」に「コスト」はリンクしており、仕方のないことなのかもしれない。

「安全はお金で買う」というのは、海外での「旅」と同様に仕方のないことなのかと思う。

 

性能メニュー

JSCA日本建築構造技術者協会では、地震に対する建物の性能メニューとして以下の図を配布している。

fig2.JSCA性能メニュー

JSCA性能設計

建築基準法を受け入れてもらえるか

建設時に、少しばかりのイニシャルコストをかけて頂き、このことをご理解いただけるよう努めていきたいと思います。

弊社でも、JSCA性能メニューと同様に、耐震性能グレードに応じ、「耐震構造」「制振構造」「免震構造」と幅広く対応しております。